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【顧客の想像を超える】チャレンジャー・セールス・モデル | 要約

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【顧客の想像を超える】チャレンジャー・セールス・モデル | 要約

営業の仕事はニーズの発掘と、ニーズに対する提案だ!

お客さんとの関係構築力が受注の全てを決める!

…これらが幻想だったことがわかるので、営業の方は愕然とすると思います。

私たちが理想とする営業像をぶち壊してくれるので、是非覚悟してお読みください。

チャレンジャー・セールス・モデルを購入する(単行本のみ:1980円)

結論:インサイトを与える

woman in blue and white floral dress

僕は今まで営業の仕事はニーズの発掘とそれに対しての提案だと思ってきました。

しかしよく考えてみると、同じニーズに対して競合と横並びになって提案していてはいつまでも競争から抜け出せないんですよね。

競合3社がAというニーズに対して必死で争っている中で、自分はBというニーズに対して悠々と提案をして一人勝ちする。

これが出来たら相見積もりやコンペといった、競合との比較にさらされることはなくなります。

ではどうやって競合とは違ったニーズに提案をするのでしょうか。

そのカギが、インサイトの発見と示唆になります。

競合はもちろん、顧客本人すら気付いていないインサイト(まだ欲求にすらなってないが、顧客にとって利益を生むもの)を発見する。

その発見を促す質問や、事例の紹介をすることによって新たなニーズを創出することができます。

私たち営業が最初にすべきなのは、インサイトを顧客に提供し、闘うフィールドを1on1に持ち込むことなのです。

1章:ソリューション営業の進化

people walking on sidewalk during daytime

ここ10年くらいは「ソリューション営業」もしくは「コンサルティング営業」がブームになっているではないでしょうか。

単純なプロダクト営業から、問題解決を主軸に置いた提案手法で競合他社に差別化を図っていく。

非常に聞こえは良いのですが、その「ソリューション」の質も千差万別です。

さらに顧客も複雑化する営業の提案に、意思決定が簡単にできなくなってしまいました。

ソリューション営業がもたらした問題の一つに「社内コンセンサスの複雑化」が挙げられます。

それによって受注までのリードタイムが長くなったり、意思決定者が行方不明になったり…。

しかも差別化の手段だったソリューションの提供は、もはやほとんどの競合でも取り入れられています。

プロダクト営業⇒ソリューション営業⇒???、というように営業も次のステージに進まなければならないようです。

そのヒントが「チャレンジャー」と呼ばれる営業モデルにあります。

2章:チャレンジャー① ハイパフォーマンスを生む新モデル

man in hoodie standing in front of the mountain

本書では営業を5つのタイプに分類しています。

①ハードワーカー:簡単にあきらめず、自発的。常にフィードバック能力開発に関心が高い。

②チャレンジャー:常に違った見方をする。議論好きで、顧客のビジネスを理解している。顧客に強引に働きかける。

③リレーションシップビルダー:関係構築タイプ。顧客の中に強力な賛同者を作る。誰とでもうまくやれる。

④ローンウルフ:一匹狼。自分の直感に従う自信家。管理しにくい

⑤リアクティブプロブレムソルバー:内外のステークホルダーへの対応が信頼できる。全ての問題の細部までに気を配る。

(⑤とか必殺技みたいな名前ですよね…。)

本書の題名にもなっているので、「チャレンジャー」がこれからの営業に求められるモデルということがわかります。

でもそれぞれのタイプを見ると、決してチャレンジャーが他のタイプと比べて優れているとは中々思えません。

一般的に見ると、リレーションシップビルダーやリアクティブプロブレムソルバーが「優秀な営業マン」の姿に当てはまっているように思います。

ただ事実は違いました。

それぞれの営業モデルにおけるハイパフォーマーの割合はダントツで「チャレンジャー」が多かったのです。

ちなみにリレーションシップビルダーはもっともハイパフォーマーの割合が少ない結果となりました。

・チャレンジャーの要素

チャレンジャーは3つの能力を使い、顧客のパートナーとなっています。

①指導:顧客のビジネス上において独自の視点を持ち、営業上のやり取りの中で差別化ポイントを指導することができる

②適応:顧客のバリュードライバ―や経済ドライバ―を理解し、顧客組織の中の正しい人に正しいメッセージを伝え、共感を得る事ができる

③支配:お金の話を厭わず、多少無理強いすることができる。したがって営業プロセスを支配することができる

ちなみにチャレンジャーは複雑な提案モデルであるほど、その力を発揮します。

提案の余地が無いようなシンプルなプロダクト営業であればチャレンジャーの資質は特段必要となりません。

3章:チャレンジャー② 新モデルを移植する

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色々な営業モデルが挙げられましたが、前提として「トレーニングで誰でもチャレンジャーモデルになれる」という事を覚えておきましょう。

いくらチャレンジャーモデルが素晴らしい!となっても、生来の資質に頼るものでは再現性がありません。

重要なのは資質ではなく、スキルが揃っている事。

そしてそのスキルとは、前述した①指導 ②適応 ③支配の3つのスキルのことです。

それぞれのスキルについて少しだけ詳しく書いていきたいと思います。

・差別化の為の「指導」

チャレンジャーが他の販売員と違うのは、市場やビジネスモデルにおいて新しく有益な教えを顧客に授けられる事にあります。

この有益な教えや気付きは、自社の商品やソリューションの為のものではありません。

結果として自社商品に紐づけますが、スタートが自社商品や自社のソリューションになってしまうと、重要なインサイトを見落としてしまいます。

営業の世界では「どうすれば提案依頼に先回りできるか」という議論が多くなされています。

が、顧客を教え導く事ができれば、売り手に都合の良いように提案依頼を作り替える事も可能です。

指導=インサイトの提供、と思ってもらえればいいかなと思います。

つまりこの指導こそがチャレンジャーの一番の強みとも言えますね。

・共感を得る為の「適応」

適応が上手くいくかどうかは、営業担当者が顧客の優先事項をどれだけ知っているかで決まります。

その人が最も望む結果、その人が会社の為に出さなければならない成果、その成果に最もはまる経済ドライバ―…

また項目だけじゃなく、その提案に携わる意思決定者たち。

現代は社内コンセンサスをまとめることが、提案成功においてかつてなく重要な意味を持っています。

顧客関係者それぞれに合わせて、提案のメッセージを調整できる「適応力」が重要性を持つというのもわかりますよね。

担当者フェーズによって伝えるべき事、伝え方を調整できるのもチャレンジャーのスキルのひとつです。

・営業プロセスの「支配」

前置きとして、営業プロセスの支配とは決して攻撃的になることではないです。

支配とは、顧客の抵抗にあっても一歩も引かずに自分の提案を推し進める姿勢のことを指します。

この支配という姿勢はおおよそ2つの形で現れます。

一つは価格の折衝の際、もう一つは意思決定の際に顧客が迷ったときです。

チャレンジャーであるセールスは、価格折衝になった際に値引きを簡単にしません。

彼らが販売しているのは価値であり、商品そのものではないからです。

また顧客が意志決定で迷った際にも、圧力を与えて意思決定のサイクルを早めます。

これは決して顧客に失礼な態度をとっているのではなく、それが顧客にとって最良の提案だと思っての行動なのです。

良いものを値引く必要はない、良いものならば迷う必要がない。

自社商品に自信がないという営業がいますが、であれば独自のインサイトやソリューションに価値を感じてもらえばいいのです。

むしろそれが出来ない営業は近いうちに淘汰されていくでしょう。

4章:差別化の為の指導① なぜインサイトが必要なのか?

blue eye photo

更に「指導」について、そして特に重要な「インサイト」について見ていきます。

まず今までの営業は、顧客の「ニーズ」を質問によって浮き彫りにさせることから始まっていました。

そしてそのニーズに対して解決策であるソリューションをぶつける。

これが営業の必勝法のように語られてきましたし、実際に直近までは本当に必勝法になり得ていました。

ただこれらは「顧客は自分の、自社のニーズを知っている」という前提のもとでの話です。

今の複雑な市場、増え続ける競合の数を考えると、顧客が自分たちの本当のニーズを理解していない場合が増えてきました。

つまり、これから私たちがしなければならないことは「顧客さえ知りえない顧客自身の課題」を販売員が与えることなのです。

そして衝撃的な話があります。

顧客が購買行動をする際の決定要因として、商品のサービス内容や性能には20%、価格は10%程度しか重要視していないのです。

では何が一番の購買要因になるのか、実はそれが「営業体験」となります。

ではその営業体験とは何を指すのでしょうか?

・営業体験の決め手となる5つの特徴

①市場に関する独自の価値ある視点を授けてくれる

②さまざまな選択肢を検討する助けになる

③継続的なアドバイスを提供してくれる

④「地雷」を避けるのに役に立つ

⑤新しい問題や結果について教えてくれる

このひとつひとつが、顧客は何かを買いたいのかではなく「何かを知りたい」のであることがわかります。

正直たくさんの企業がありますが、大抵の業界では提供する商品に大きな違いはありません。

では何で差別化するのか?

今までは一番多く使われていた差別化要因が「価格」でした。

ただひとたび価格競争に巻き込まれたら、もう抜け出せません。

圧倒的な商品によるイノベーションを起こさない限りは、販売員の「営業体験」で差別化を図るしかないのです。

・商談直結型の指導をせよ

商談直結型の指導には次の4つのルールがあります。

①自社ならではの強みに繋がること

顧客ロイヤリティを高めるうえで重要なのは、顧客に「大事ですよ」と教えたポイントでライバルを上回ることです。

いくら顧客にとって重要な気づきを与えたとしても、それを他社も同様に解決できるものであれば意味がありません。

単なる無料コンサルティングで終わるか、独り勝ちで終わるかは、提案を自社の強みに繋げる事にかかっています。

②顧客の仮説を覆すこと

顧客に「この販売員は他と違う」と思ってもらうには、顧客の仮説を覆す、もしくは越えなければなりません。

なので私たちが顧客から引き出したいのは「その通り!」ではなく「そんな事考えたこともなかった…」という言葉なのです。

③行動を促すこと

いくら独自の視点を与えても行動に移させなければ意味はありません。

何故その視点から課題解決をすべきなのか?

その価値を具体的な事例を用いながら数値と共に伝える事で、行動するための動機が生まれます。

④他の顧客への拡張性があること

1社1社にしか当てはまらないインサイトの提供と打ち手になってしまっていたら、やはりそれは属人的な戦術となってしまう。

チャレンジャーモデルは先天的なものではなく、トレーニングで身に付けられるという前提が崩れてしまいます。

なので、インサイトや打ち手は顧客単独で見るのではなく、業界ごとのセグメントによって汎用化させるべきなのです。

業界大手のA社に与えたインサイトであれば、業界2番手のB社にもそのインサイトが当てはまる可能性は非常に高いでしょう。

何故なら私たちと一緒で、顧客も競合との差別化に悩み、課題の発見と解決に苦労しているからです。

5章:差別化の為の指導② インサイト主導の会話の進め方

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指導的なトークには論理的であることの他に、極めて感情的なアプローチも必要になってきます。

それは感情に任せて話すということではなく、顧客の感情に訴えかけるプレゼンをするという意味です。

そして指導的トークを細分化すると6つのステップに分ける事ができます。

ステップ①:地ならし

まずは前述した通り、競合に提供したインサイトを事例として話を進めていきます。

「悩んでいるのはアナタたちだけではありません」

このメッセージを送るだけで、顧客はとても心強い気持ちになります。

再三出てきますが、顧客のニーズに対して質問するのではなく、自らの経験や調査を基に立てた仮説を話すのです。

これだけでも顧客からの「こいつ、他の営業とは違うな」感が出せます。

重要なのはこの後、すぐに自社商品の話に入らないこと。

ここでせっかく「こいつは他と違うな」感が出せたのを無駄にしてはいけません。

ではどうするかは、次のステップである「再構成」にかかっています。

ステップ②:再構成

このステップが指導的トークの心臓部となる場所です。

ステップ①で顧客が認めた課題を踏まえて、それらの課題を、顧客が気づいていない大きな問題やチャンスに紐づける。

そんな新たな視点を顧客に提供します。

ここではその気づきに関して詳しく述べる必要はありません。

ここではあくまでそのインサイトの「見出し」を提示することで、より顧客の興味を引き付けます。

そしてその見出しに興味を持ってもらえたのなら、そのインサイトがなぜ重要なのか?

その「裏付け」を次のステップで話していきます。

ステップ③:裏付け

このステップでは再構成で提示されたインサイトに対する裏付けを、数字で語っていきます。

ここではマーケターが語る「FUD要因」 Fear(不安)・Uncertanity(不確実)・Doubt(不信)が重要となるようです。

顧客が見落としている問題で起こり得るリスクや、大きなチャンスを提示することで顧客は大きく心を揺さぶられます。

そしてその課題を問題を解決することで得られるリスク・メリットを数値で提示するとしたらこの時。

ただしここでも重要なのは、あくまで解決する手法を自社商品に結びつけないこと。

それはもっと後での話になります(かなり焦らしますよね…)

ここまででも顧客は焦りや期待を感じ始めているでしょうが、これでもまだ押しが足りません。

それが次のステップである「心をゆさぶる」ということです。

ステップ④:心をゆさぶる

このステップの重要なポイントは、あなたが語るストーリーに顧客を取り込むことにあります。

「うちにはちょっとね…」と言われることは数えきれないほどあったんではないでしょうか。

ここではそれを自分事として捉えさせるために当事者意識を持たせるパートになります。

ここでは具体的に以下の様なフレーズが用意されています。

「御社が少々違うのはわかりますが、他の企業でも同じような事例が何度もありました。ちょっとご紹介させて頂けますか…?」

このセリフの後に顧客のビジネスに当てはまるインサイトを当てるだけで

「いや、うちも全く一緒の課題を抱えているよ…」

という言葉を引き出すことができます。

ここで共感を経て、顧客がインサイトを自分事として考える事ができたら、このステップは成功です。

ステップ⑤:新しい方法の提示

ここまで自社商品の我慢をしてきましたが、信じられないことにここでも焦らされます。

ここまできても顧客は私たち売り手の商品やソリューションを買おうという気持ちにはなっていません。

何故なら商品はどの競合も一緒だから。

このステップでは自社商品ではなく、「顧客の行動をどのように変えればビジネスがどう改善されるのか」という事を話します。

このステップが成功すれば、私たち売り手はただの販売員ではなく、顧客のパートナーとして認められるのです。

そこでようやく「自分たちの商品、ソリューション」について提案ができます。

ステップ⑥:ソリューションの提案

非常に焦らされましたが、ようやく自分たちの商品の提案ができます。

ここまできたらやる事は単純明快で、ステップ⑤までに示したインサイトとその課題解決法を自社商品の強みに結び付ける事だけです。

恐らく営業、販売員なら誰でも踏んでいるステップではないでしょうか。

逆にここで顧客を納得させられないのであれば、自社の強みを理解していないか、そもそも顧客側に聞く意思がありません。

私たちはすぐにこのステップ⑥に進んでしまいがちですが、これはどの企業も同じです。

簡単に言ってしまえば「この営業は他と違う」と思わせる為の6つのステップになりますので、遠回りにはなりますがしっかり順を追っていきましょう。

6章:共感を得る為の「適応」

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なぜ近代の営業にはこの「適応」という能力が必要なのでしょうか。

それは複雑化していくソリューションに合わせて、顧客側も社内で複雑なコンセンサスをとらなければならなくなったからです。

安く、単純な商品であれば窓口の人や代表一人の決裁で話は済みます。

ただ今提供されているソリューションや商品のほとんどが、他者との差別化をするためにどんどん複雑化していっていますよね。

私たちが顧客の懐に入り込むには、単一の決裁者やキーマンを抑えるだけでは不可能になったということです。

実は意志決定者が決裁を下ろすうえで最も気にするポイントで「提案に対しての社内での幅広い支持」が1位となっています。

顧客内にいる「インフルエンサー」と呼ばれる影響力のある人物を特定し、働きかけねばならないのです。

「幅広い支持」を得る為のカギ

インフルエンサーが販売員や営業にロイヤルティを感じるのはどんな場合なのでしょうか。

上位5つを抽出しました。

1.高度なプロ意識を発揮する

2.独自の価値ある視点を提供する

3.価値を過大評価せず、課題を過小評価しない

4.当社の事業を熟知していて「地雷」を避けるのに役に立つ

5.さまざまな問題で当社を教え導いてくれる

いや、むずっ…。

何だか求めすぎな気もしますが、商品にほとんど区別がない以上販売員に求めるものが大きくなるのも仕方がないのかもしれません。

例え商品自体が単純なものだとしても、顧客が求めているものがそこではない以上、私たちのレベルアップはかなり急務なのかも…。

適応する上でまずはやるべき事

まず販売員としてやるべきこと、もしくはやらせるべきことは「業界や企業知識を最低限身に付ける事」です。

そもそもインサイトを提供しなければならないのに、まずは御社のビジネスについて質問させてください、というのはナンセンス。

ただ幸か不幸か、顧客の業界や顧客企業自身のことをしっかり調べている販売員はかなり少ないです。

大抵は自社の商品の強みをどう話すのか、どれくらい金額を調整すべきなのか、ここまでくらいしか考えていません。

ほんのちょっと競合よりも業界や企業について詳しいだけで「こいつは他と違うな」感が出せるのはお得ですよね。

商材によってはその会社のプレスリリースや決算報告書などを読み込む必要もありますが、そこまで必要ない場合も多いです。

最低限ホームページを閲覧し、遠隔と事業内容を把握したうえで臨むだけでもまずは十分なのではないでしょうか。

7章:営業プロセスの「支配」

gold and blue crown

営業プロセスの「支配」は二つの能力によって構成されています。

一つはお金の話を厭わず、お客に「無理強い」できること。

一つは営業プロセスの始まりから終わりまで勢いを持続出来ること。

これらはもちろん言うほど優しくなく、通常はお金の話になると関係維持の為に勢いがなくなっていきます。

ただチャレンジャーモデルでは、自身のソリューションや商品が顧客課題解決の唯一の手段であるということが前提です。

であれば自信を持って値引きせずに最後まで売り切る事ができる、ということなんですね。

支配をめぐる3つの誤解

①「支配」は「交渉」と同義である

②販売員が支配するのはお金に関する問題だけである

③「支配せよ」というと販売員はひどく攻撃的になる

商談を支配しなさい、というと必ず上記3つのような誤解を私たちは抱いてしまいます。

交渉というのはあくまで商談の最後に行うこと。

チャレンジャーモデルでは価格交渉や納期交渉などだけでなく、課題の発見や打ち手の提案など全てのプロセスを支配します。

あたかも販売員のいう課題が全てであり、その解決策であるソリューションや自社商品の提供が唯一解であるかのように。

そして支配するという事は顧客を攻撃するという事ではない、というのはいつまでもありません。

更にこれらを配下に指示したとしても、決して攻撃的な商談になることはほとんどありません。

通常の販売員であれば、それが顧客との関係性を悪化させてしまう事を本能的に恐れているからです。

真に考えるべきは、どうやって攻撃的にならないようにするか?ではなく、「どうやって自己主張させるか?」なのです。

注意すべき点

営業プロセスの支配を首尾よく進める為に注意すべき点は、2点。

最初から最後まで商談を支配すること、そして顧客に対して「力強い要請」を続けることです。

価格交渉の段になって、いきなり主導権を握ろうとする営業を信頼できるでしょうか。

そんな人はいないと思いますが、交渉に強気にいけるのはあくまで価値ある問題提起や解決の手法を自分たちが提供しているという自信があるからです。

そして私たちがわかりやすく顧客にとって必要な存在だと思わせるには、自信を持って問題や解決法を提供する姿勢にあります。

どれだけ良いソリューションでも「成功するかどうかわかりませんがとりあえずやりたければやってみた方が良いかもしれませんね」

といった曖昧な促し方では、よしやろう!とはならないのではないでしょうか。

8章:営業マネージャーとチャレンジャーセールスモデル

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ここまでチャレンジャーモデルを構成する要素、そしてチャレンジャーモデルに変化していくには?を見てきました。

が、これらを成功させるためには現場のマネージャーの理解と実践が必要不可欠になります。

結局マネジメントが介入しなければ、属人的かつ個人的な努力や才能に頼る事となってしまいます。

これらを組織的に進めていくにはマネージャーの力が必要なのです。

では優れた営業マネージャーの条件とは何でしょうか。

本書では「営業イノベーション」を起こせること、と示されています。

既知の事を教えていく指導法ももちろん重要ですが、時代はVUCAと呼ばれる先の見えない複雑な市場を築いています。

そんな市場の中では、既にある答えが役に立たない場合が多い。

だからマネージャーは自身の知識と販売員の現場感を掛け合わせて、今までなかった答えを創出しなければなりません。

イノベーション「未知」を開拓するという事

では営業イノベーションを起こしていく為にマネージャーがすべきことは何でしょうか。

それが「調査・創造・共有」の3つの要素になります。

①調査

営業を進めるうえで何が障害になるかを判断する能力です。

・誰が関わっているのか

・どんな決定基準が採用されるのか

・どんな金銭面の心配が出てくるのか etc...

これらを実際に現場で活躍している販売員から情報を提供してもらい、障害を特定していきます。

このプロセスが従来と違うのは、営業視点ではなく顧客視点であるということ。

ヒアリング、見積提出、クロージング、というのは営業視点。

社内の意思決定プロセスの発見、懸念事項の発掘、コンセンサスに必要な事項などは顧客視点。

私たちが調査で発見するべきは顧客視点での障害なのです。

②創造

これは製品の新しいポジショニングや、アプローチを指します。

現場マネージャーが新しい製品を創造しなさいというわけではありません。

売り方や話し方を販売員の報告を基に、今までなかったやり方で創造していく。

ともするとマネージャーは販売員の行動を管理・点検することが唯一の役割になってしまっています。

折り返しの電話はしたのか、見積は提出したのか、フォローメールは送ったのか。

これではリマインドアプリと一緒です。

行動を管理するのではなく、販売員と協業して新しいアプローチ側面を見出すことがマネージャーの重要な役割となります。

③共有

いうまでもなく、素晴らしいアイディアは共有されてしかるべきです。

それを自分だけのものとして門外不出としてしまっては、それ以上のイノベーションは望めません。

情報を提供するところには、同じかそれ以上に情報が入ってきます。

それらの情報を統合することによって、また新しいイノベーションが生まれるのです。

マネージャーはその情報の出入りをスムーズにするためのハブ役となります。

9章:先例に学ぶ

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最後に、チャレンジャーセールスモデルを導入する上で教訓となる言葉をかいつまんで記載しておきます。

・犠牲者を覚悟する

・実験の後に全面導入すべき

・顧客中心を声高に叫ばない

・個人の能力と組織の能力は並行して開発せよ

・まずは独自の差別化要因を見つけよ

・御用聞きはやめよう

・今すぐ始めよう

チャレンジャーセールスモデルは数週間や数カ月単位で導入できるものではありません。

それこそ年単位で取り組むべき変革です。

そしてチャレンジャーのセールスモデルが合わない販売員、マネージャー、企業も必ず出てきます。

ただ全員を掬い上げる事は不可能という事を前提に、マネジメントをすることも大事なのかもしれません。

時間も人も物もお金も限られています。

今すぐに変革を求められる、営業はそんな厳しくもワクワクするようなパラダイムシフトにさらされているのではないでしょうか。

所感

僕も営業であり、マネージャーであるので、本書に書いてある事はグサグサ刺さりました。

これを導入していくには時間も労力もかかりそうだなぁ…とも思います。

ただ今の営業の能力や組織風土に限界を感じていたのも事実です。

色々カッコいい事を述べていましたが、結局は自分の組織はモノ売りが横行しています。

課題解決に結びつけている営業はほんの一握り。

ただそのほんの一握りが明らかに活躍しているのも事実です。

一部のハイパフォーマーの属人的で不透明な能力に頼る組織はもう終わりにしたいと思います。

自らがイノベーションを起こし、真に顧客のパートナーとなれる企業を目指して。

チャレンジャー・セールス・モデルを購入する(単行本のみ:1980円)

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